日本初!あんずで染めた鹿革誕生!!
グルーバーレザーもいよいよ日本初の物を作ってしまいました!!
以前のブログ「ALL千曲に近づくために」であんずで鹿革を染めている事を伝えましたが、ようやく完成しました!
染めていただいているところはグルーバーレザーから車で12分
あんずの森に向かう倉科の里にあります。
森将軍塚古墳、アグリパークなどを抜けて到着するのが「更級花織工房」
この工房で染めているのは主には着物なんかに使うような生地や糸を染めるんですが、ここの一番凄いところは糸染めしてからそれを旧式の機織り機でカンカントントンと織り上げている
気の遠くなる様な作業を繰り返し仕上がるあんずの糸染めによる作品中でも
絵絣(えがすり)という技法があるらしく、この機織りを進めていくと絵が浮いた出てくるように計算して織っていく!
横糸で絵を表現し、縦糸の擦りは四角く見えているところ
縦と横が合わさるとより白く見える
どうやって柄が出るの?と思いますよね
これは横糸を一度形に並べて、染まって欲しくない部分を縛って染めているから糸がムラ状になり絵を表現できる。これが絵絣だ!
いやいや分からねーよ!(^^;;
お気持ちは察しします。
なんせ時間のかかる作業!!
好きじゃないと出来ない本物の職人を感じられます!
もう脱帽です!
かれこれ52年ぐらいになるそうで、人間国宝にもなれそうなこの窪田さん
ホームページを見ると数々の経歴があり、本にもなっている様な方です。
そしていよいよ杏染めの方ですが
あんず染めは杏の樹を煮立てて杏の染料を出します。
杏の樹は農家さんから病気や、実がならなくなって伐採した樹を使います。
この写真?あんずの樹以外も混ざっているような気もしますが?^^;
とにかくこれを細かく切って行き釜の中でグツグツと煮立てます。
草木染めをしている方は知っているのかもしれませんが、もう僕はこの時点でハテナ?でしたね
あんずの実じゃ無いんだ?ってね
こちらの動画を先にご覧ください←クリック
上をクリックしてもらうとなんとなく染めの一連の流れがわかるかと思います。
窪田さんの渾身の一撃!!!!うりゃ!
いい写真(^○^) これを細かく割いて行き釜の中に投入!
いつも窪田さんは大体3時間ぐらい煮たてて色を出して行きます。
もちろん樹によって色の出方も変わります。
媒染により色も変わりますが、今方向性としてはそのまま染め回数により濃さを出す事です。
色が出てきたらこれを濾して容器に移します。
容器に移したら革に入れる段取り完了です!
ヌメ革はおおよそ85度ぐらいまでの熱に耐えられます。
クロムなめしは100以下ぐらい
このあんず染めに使う革はヌメ革なので大体この濾す作業を終える頃には85度以下ぐらいになるのでここで革の投入です!
あらかじめ用意してきた絞りの革を入れるのですが、これは前日に工房で用意していて革を濡らして糸や輪ゴムで縛っています。
この時に中に入れているものが「杏の種」
あんずの樹で染め、あんずの種を入れて花を咲かせる
何回で染めるか?それに答えはありません。
杏により染料の出方も違いますし、季節によっても色の入り方が変わります。
暖かいうちに入れた鹿革はこのまま冷めるまで放置されます。
冷めてから革を乾かし
違う日にもう一度火を入れて沸かします。
そして濡らしてからまたあんずの染料に冷めるまで漬け込む
最低でも2回、染まり具合を見極めて決めます。
染液が冷めて、縛った部分を解いて行くと少し模様が見えているのがわかりますか?
また、上に転がっているのは杏の種
あんずの樹で染め、あんずの種を入れて花を咲かせる(2度目です^^;)
これを今度は工房に持ち帰ります
絞っていた所を綺麗に戻す作業!
工房の机に引っ張って貼ったらゴロゴロと馴染ませて行く
革は濡らすことで形状を変化させられます。
また水分が加わった革が乾くとその形状を保ちます。
見ての通りゴロゴロやっているわけです(^○^)
乾くとこんな感じに
ボコボコした革がツルッとパリッとした感じです。
ここから柔らかくなるように揉みほぐしていきます
軽く揉みほぐしてから少し腰を砕く様に道具を使って揉みほぐしていきます。
タンナーさんだとバイブレーションに通したり、ドラムで空打ちしたりしますが、そんなものは無いので完全な人力!
これで完全に柔らかく仕上がったら要約製品として切り出しをしていきます!
そうして仕上がったのがこちら
これが販売されるのは6月28日の銀座NAGANO!
同日に在庫が出来次第工房や取り扱いの一部でも販売予定です。
銀座NAGANOでは「新宿高野コラボイベント\フレフル信州/千曲市産あんずを味わう」
という杏のイベントが開催され、僕らは千曲市役員さん達と参加!
杏の新たな可能性をアピールして来るつもりです!
またその情報や、あんず染めの取材をたくさん頂いたので今後ご紹介していきたいと思います!
水面下で発表まで来たのは日本初!の物を作ったので然るべきタイミングで発表したかったからです!実はこのあんず染めの前に本藍染をしていて、そちらも近日公開予定!威風堂々として藍染を見れるのはもう少しです!!!